シリア避難民数千人が国境地帯で足止め、健康悪化の子どもも
シリア北部(CNN) トルコとの国境から100メートルも離れていないシリア北部の国境地帯で、内戦の混乱を逃れてきた数千人の避難民が、国境を通過できないまま地面の上で寝起きする生活を続けている。不衛生な環境で体調を崩す子どもも増えているが、越境できるめどは立っていない。
オリーブの木にビニールシートをかぶせただけの粗末なテントが並ぶ野営地。夜が明けると、汚れた毛布にくるまっていた人たちが起き出してきた。
子どもたちは焚き木用の小枝を集め、給水タンクの前には女性たちが行列を作る。白く濁ったタンクの水は、ここで暮らす人たちの間に下痢が広がる原因となっているようだ。
1カ月前までこの場所に野営地はなかった。しかしシリアの反体制派「自由シリア軍」によると、ここで暮らす人は9月末の時点で推計5500~6000人に膨れ上がり、日々増え続けているという。
政府軍と反体制派の激しい戦闘が続くアレッポでファストフードチェーン店を営んでいたという男性(30)は英語で取材に答え、「自宅が破壊されたのでここに来た」「ここでオリーブの木の下に住むことになるなんて、これまでの人生で想像したこともなかった」と肩を落とす。
多くの人が、同じようにロケット弾や空爆で町や村を破壊され、避難を強いられた体験を語った。
父親に抱かれた2歳の少女は、先月の爆発でひどいやけどを負い、胸にまだ生々しい大きな傷跡があった。記者が話しかけても反応はない。父親は、爆発で耳が聞こえなくなったと説明した。