シリア内戦の一時停戦、事実上の崩壊 爆弾攻撃や戦闘止まず
(CNN) シリア政府は27日、東部デリゾール市で同日早朝、車爆弾による爆発が教会前で起き、施設の一部が損壊したと発表した。国営シリア・アラブ通信が伝えた。
シリア内戦では国連とアラブ連盟合同のシリア特別代表ブラヒミ氏の調停により、イスラム教の祝祭に合わせた一時停戦が26日から発効したが、爆弾事件などが依然相次ぎ、合意は事実上崩壊したと受け止められている。
英ロンドンに拠点がある反体制派「シリア人権監視機構」は、デリゾールの事件現場はレストラン近くでその後衝突も起き少なくとも5人が死亡したと述べた。別の反体制派「地域調整委員会」は民間人2人が死亡したと語った。
爆発の標的は憲兵隊の建物だったとの情報もあるが、政府はテロリストの攻撃と主張している。犯行声明は出ていない。同市の反体制派活動家はCNNに、政府軍はイスラム教スンニ派が多数派の地区に車爆弾への報復とみられる迫撃砲攻撃を仕掛けたと証言した。
首都ダマスカスでは26日、子どもの遊び場近くで車爆弾が爆発、子どもを含む数人が死亡する事件も発生。シリア人権監視機構によると、ダマスカス郊外では27日、シリア軍の空爆があり、8人が死亡、複数が負傷した。
反体制派は、一時停戦が始まった数時間後にシリア全土で爆弾の爆発や衝突が多発、100人以上が死亡したと報告した。政府と反体制派は停戦合意違反で相手側に責任をなすり付けている。
地域調整委員会によると、停戦発効後などの戦闘は北西部イドリブ県、北部アレッポ、北西部ハマなどでも発生。シリア全土での死者は27日だけで93人に達したと述べている。