中国における「政治腐敗」 何が問題か
今回の件は、中国にとって、汚職が存在しているかどうかが問題なのではないだろう。インドやインドネシアといった国々よりも、それについては問題は小さいように見える。そうではなく、中国政府にとっての問題は、閉ざされた政治制度が選挙による正統性を有していない点だ。このことは、中国共産党にとっての打撃となりかねず、高度な能力主義のなかで大儀のために政治を行う選ばれた人々が運営する国家という自己イメージを損なうことにつながる。
いまや、温一族や公職追放された前重慶市党委員会書記の薄熙来(ポーシーライ)氏の件が明るみ出ており、中国がこういった混乱をどのように処理するのか興味深いところだ。
中国指導部には選挙を実施する意思がないように見えるとすれば、中国共産党は、正統性のうわべを維持するために、汚職問題への対処や指導部の選出のためにどんなプロセスを実行するのだろうか。
この問題に中国がどう取り組むのか、興味が尽きない。