生放送中にラジオ司会者が襲撃され重体、容疑者逮捕 ボリビア
(CNN) 南米ボリビアのラジオ局で生放送中の司会者が襲撃され、重体となっている事件で、警察は2日までに4人の容疑者を逮捕した。
事件が起きたのは、ボリビア南部の都市ヤクイバの小さなラジオ局。先月29日の日中、4人の男が局内に押し入り、うち2人がスタジオに侵入した。同局の経営者で司会者のフェルナンド・ビダル氏は生番組に出演中だった。銃声や乱闘の物音が放送で伝わる中、侵入者はラジオ局の機材やビダル氏の体にガソリンをかけ、火をつけて逃走した。
ビダル氏は顔や体に火傷を負って重体。ラジオ局員1人も火傷を負い、病院に運ばれた。
70歳のビダル氏は、市長や地方議会の議員を務めたこともある人物。「(警察は)襲撃の容疑者4人を逮捕するという最も簡単なことをやっただけだ。だが事件の背後にいる黒幕を暴かなければ」と、義理の息子のエステバン・ファルファン氏は言う。
ビダル氏は率直に意見を言うジャーナリストで、尊敬もされていたが敵もいたとファルファン氏は言う。
左派であるビダル氏はかつてはボリビアのモラレス大統領とも親しい関係だったが、大統領が権威主義的な手法を採るようになって距離を置くようになった。
またビダル氏は汚職の追及に力を入れ、公金横領の疑惑がもたれている政治家への批判を展開していた。事件当時は国境地域の密輸問題についての番組を放送していたため、犯罪組織の関与も疑われた。だが、ファルファン氏は政敵たちが事件の背後にいると考えている。
「メッセージは明らかだ。私たちを黙らせたいのだろう」とファルファン氏は語った。