「シリアで死ぬ」アサド大統領、亡命を否定
(CNN) 内戦状態の続くシリアのアサド大統領は8日、ロシアのテレビ局の取材に応じ、「シリアで生き、死ぬ」と述べて亡命する意志がないことを示した。
「私は欧米や他の国に作られた操り人形ではない。私はシリア人であり、シリアで生きて死んでいく」とアサド大統領は述べた。
また、外国による軍事介入については「シリアは中東における政教分離主義と安定と共生の最後のとりでであり、世界を巻き込むドミノ効果を引き起こすだろう」と述べ、代償は大きいと警告した。
この発言に先立つ6日、キャメロン英首相は「(アサド大統領)を出国させ、安全な政権移譲を行うためならあらゆる手段も考慮する。英国への亡命を提案するわけではないが、もし本人が出国したいならそれに向けた調整は可能だ」と、アサド大統領が希望するなら「安全な出口」を用意するとの意向を示していた。
一方、カタールでは8日、英仏米とトルコの代表者が集まり、シリアの反体制派を代表する組織の発足に向けて話し合った。
ヘイグ英外相は声明を出し「会合の目的はシリアの反体制派グループに対し、民主的で安定したシリアという1つのビジョンの下に集結するよう促すことだ。これはアサド政権に代わる信頼のおける政権を打ち立て、流血を終わらせ国民の意思を反映した政権移譲を達成するために必要だ」と述べた。
一方、シリアと国境を接するトルコのギュル大統領は8日、不測の事態に備えて国境地帯の警備を強化する計画を策定中だと述べた。トルコが加盟する北大西洋条約機構(NATO)はパトリオット・ミサイルの配備を検討しているとも伝えられているが、エルドアン首相はこれを否定している。