シリア内戦の死者4万人に迫る、ロシアは反体制派支持の米国を非難
(CNN) シリアの内戦による死者が4万人に迫っている。反体制派はアサド政権の転覆を目指す統一組織を結成したが、ロシア外務省は15日、米国などが同組織支持を打ち出したことを強く非難した。
シリアの犠牲者数を記録している反体制派の団体によると、内戦状態に陥ってからの1年8カ月で、死者は3万7387人に上った。このうち激戦地となったホムスでの死者が6992人を占め、首都ダマスカス周辺では6750人が死亡している。犠牲者の中には、同団体が最近になって統計を取り始めた政府軍の兵士3061人も含まれる。
シリアをめぐってはアサド政権打倒を目指す反体制派の統一組織が結成され、米国、フランス、ペルシャ湾岸のアラブ諸国が支持を表明した。
これに対してロシア外務省は短文投稿サイトのツイッターで、「シリアの反体制派を誤らせ、テロリストを含む過激派を勢い付かせることになる」と批判している。
ロシアのラブロフ外相は14日にサウジアラビアのリヤドで湾岸協力会議(GCC)と会談した。ロシアが長年の同盟相手であるアサド大統領を支持しているのに対し、湾岸諸国は反体制派支持を表明している。
シリアでは15日も衝突がやむ気配はなく、周辺国に避難して難民となる市民も増え続けている。国連難民高等弁務官事務所によると、シリアから周辺国への難民は41万4838人に上る。中でもトルコは最も多い11万4944人を受け入れている。