パレスチナ「国家」への格上げ、国連総会で採決
国連本部(CNN) 国連総会は29日、パレスチナの地位を「オブザーバー国家」に格上げする決議案について採決を行う。
パレスチナは過去に独立国家としての承認を目指したが実現しなかったことから、今回は戦略を切り替え、現在の「オブザーバー機構」から1段階格上げとなる「オブザーバー国家」としての承認を目指す。決議案が採択された場合、国連でのパレスチナの地位は、バチカンと同等となる。
決議案の文言起草には、パレスチナを支持するノルウェー、スペイン、デンマーク、アイスランド、フランス、スイスなどが協力した。
一方、米国と英国は決議案に反対し、パレスチナとイスラエルの和平交渉再開のみが、真の解決につながる道だと主張。クリントン米国務長官は28日、「パレスチナの人たちの切望を満たす2国家間の問題解決への道は、イスラエルとパレスチナの間にあり、国連にはない」と強調した。ドイツは棄権する意向を表明している。
国連での格上げが承認されたとしても、象徴的な意味合いにとどまるとの見方が大勢を占めるが、パレスチナ自治政府のアッバス議長はヨルダン川西岸の主要都市ラマラで記者団に対し、「国家としてのパレスチナの権利を追求する第一歩となる」と期待を示した。
イスラエル政府報道官は決議案について、「政治的脅し」だと非難した。