パレスチナをオブザーバー「国家」に格上げ、国連総会が決議案採択
ニューヨーク(CNN) 国連総会は29日、パレスチナ自治政府の参加資格を「非加盟オブザーバー組織」から「非加盟オブザーバー国家」に格上げする決議案を賛成138、反対9、棄権41の賛成多数で採択した。採決では米国やイスラエルが反対し、ドイツは棄権した。
国連の非加盟オブザーバー国家は、バチカンと同等の立場となる。パレスチナはイスラエルとの関係において、この新たな立場を活用したい考え。決議案の起草にはフランスやスペインなどの欧州諸国が協力した。
国連で国家として承認されても象徴的な意味合いにとどまるとの見方が大勢を占める。しかしパレスチナ自治政府のアッバス議長は「2国家の解決を救う最後のチャンス」と位置付けた。
一方、イスラエルのプローサー国連大使は同決議について、長年にわたる具体的な問題をほとんど無視したものだと批判、国連決議はイスラエルとパレスチナの直接的な交渉に取って代わることはできず、「この決議では和平の追求はできない」と語った。
ライス米国連大使は、決議によって「パレスチナの国家としての地位が確立したわけではない」と強調。パレスチナとイスラエルの双方に対し、前提条件なしの直接交渉を再開するよう促した。
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は今回の決議について、「交渉再開がすぐに必要なことが示された。両当事者に対して、交渉による平和に向けて再び取り組むように要請する」と語った。