猛暑と強風で火災100件超 豪サウスウェールズ州
(CNN) オーストラリア南東部のサウスウェールズ州当局は8日、猛暑と強風で「破壊的な火災」の恐れが強まっているとして、住民に厳戒態勢を呼び掛けた。
州都シドニーのこの日の予想最高気温は42度。一部の地域では風速20メートル近い強風も予想され、州内で火災発生のリスクが「重大」あるいはそれ以上とされた地域は全体の90%に上っている。州消防当局の責任者は、火災が拡大すれば死者の出る大惨事となる可能性もあると警告した。
連邦政府は8日午後、災害対策の一環として同州消防当局に軍基地の使用を認め、燃料、人員などを提供する方針を発表した。これに先立ち、ギラード首相も「危険な1日」になると警告した。
8日午後の時点で、同州では130件以上の火災が発生していて、このうち40件は鎮火の見通しが立っていない。消防士数千人が出動し、航空機40機、消防車250台を使って消火活動にあたっている。危険地域にはさらに数千人が待機しているという。住宅などの被害は報告されていないが、この気象条件は夜まで続くとみられる。同州のほかビクトリア、タスマニア両州でも火気厳禁が発令されている。
オーストラリアではこの4カ月間異常な暑さが続き、平均最高気温は1910年の統計開始以来最高を記録した。年明けにはタスマニア州で火災が拡大し、住宅など100棟以上が損壊。住民約100人の安否が依然として確認されていない。
これまでに31歳の男1人が、キャンプのたき火の不始末で大規模火災を引き起こしたとして罪に問われている。