シリア、化学兵器ではなく暴動鎮圧用ガス使用か 米国務省
ガス攻撃を受けた住民ら約100人を診察したシリア人医師はCNNの取材に、症状の程度はガスに接した距離の長短により異なっていたと証言。近い距離でガスを浴びた患者には麻痺(まひ)や発作、筋肉のけいれん、一部の例では視力喪失の症状が出たとし、6人が死亡したとも報告した。
神経ガスのサリン被害の治療薬がこれらの患者に有効だったとも述べた。米政府高官は攻撃に使われたガスは化学兵器禁止条約で規制される人間を無力化するガス「エージェント15(Agent15)」による症状と似ていたが、後でこの兵器ではないと判明したと語った。シリア内の一部医師は使用されたガスは化学兵器と信じていたという。
トルコの外務省幹部はCNNに、ホムスでのガス攻撃を受け独自調査を実施したが、化学兵器が投入された事実はないことがわかったと語った。
長期化するシリア内戦を受けオバマ米政権は、アサド政権による化学兵器使用は一線を越えた行為と警告し、政策を転換した軍事介入も示唆していた。