チャベス大統領が死去 ベネズエラ
カラカス(CNN) がん闘病中だった南米ベネズエラのウゴ・チャベス大統領が5日、死去した。58歳だった。マドゥロ副大統領が明らかにした。
チャベス氏は1999年に大統領に就任。「21世紀の社会主義」を掲げ、中南米に次々と誕生した左派政権の先頭に立って反米路線を貫いた。
2011年から4回にわたってがんの手術を受け、昨年12月の手術以降は公の場に出ていなかった。2月に公開された数枚の写真が、一般市民の知る最後の姿となった。病状や経過の詳細は明かされなかったが、術後に呼吸器感染症を起こしていると伝えられていた。
チャベス大統領は在任中、同国の石油生産量を大幅に増やし、その収益を貧困層救済の事業にあてた。一方で、反対派の政治家やメディアに対する弾圧と権力の集中が、国際社会から批判を浴びた。
米国の「帝国主義」を攻撃する過激な演説で知られ、06年には国連総会でブッシュ前大統領を「悪魔」と呼んだ。キューバのフィデル・カストロ前議長と親交が深く、イランなど反米国家とのつながりを強めた。自身を含む南米指導者にがんが多発しているのは「米国の陰謀」ではないかと発言したこともある。
昨年10月の大統領選で4選を果たしていたが、死去を受けて新たに大統領選が実施される。大統領自身は昨年末、後継者としてマドゥロ副大統領を指名していた。