新ローマ法王にベルゴリオ氏、初の南米出身者
ローマ(CNN) 次期ローマ法王を決める法王選挙会「コンクラーベ」で13日、アルゼンチン・ブエノスアイレス大司教のホルヘ・ベルゴリオ枢機卿(76)が新法王に選出された。欧州以外の国から法王が選ばれるのは近代以降初めて。ベルゴリオ枢機卿は「フランシスコ」を名乗り、同日、バチカンにあるサンピエトロ大聖堂のバルコニーに姿を見せた。
コンクラーベは12日から始まり、2日目の13日にベルゴリオ枢機卿が選出されるまで、5回の投票が行われたもようだ。ベルゴリオ氏はサンピエトロ広場に詰め掛けた15万人あまりの信者らを前に、「コンクラーベの職務はローマの司教を選ぶことだ」「兄弟たる枢機卿たちは遠方からの人物を選んだようだ。それが私だ。あなた方の支持に感謝したい」と語りかけた。
フランシスコの名は、イタリアの聖人「アッシジのフランシスコ」に由来する。世界のカトリック信者12億人の指導者として、聖職者による性的虐待、教会関係者の汚職、バチカン銀行が絡むスキャンダルといった難題に取り組む。
ベルゴリオ枢機卿は率直な人物として知られ、カトリック教会の中で最も保守性の強い派に属する。アルゼンチンでは同性婚や避妊具の無料配布に反対する立場から、フェルナンデス政権と対立してきた。
ブエノスアイレスでイタリアからの移民の家庭に生まれ、貧困層の代弁者として知られる。大司教時代も公邸ではなく集合住宅に住んで、運転手付きのリムジンは使わずにバスで通勤。食事は自分で調理していたという。