2012年の死刑執行数682件、中・米などが上位 国際調査
(CNN) 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは11日までに、「2012年の死刑判決と死刑執行」と題する報告書を発表し、最も多くの死刑を執行した国として中国や米国、イラン、イラク、サウジアラビアの名前を挙げた。
2012年に世界で確認された死刑執行数は少なくとも682件。前年より2件多かった。中国に関しては、政府の発表がないため正確な数は確認できなかったとしているが、報告書は「ただし入手可能な情報は、中国では世界のそれ以外の国々の全てを合わせた数を上回る死刑が執行されていることを強く示している」としている。
12年は58カ国で新たに1722件の死刑判決が言い渡された。世界の死刑囚の数は合わせて2万3386人に上るという。
中国以外のアジア太平洋地域では、日本とパキスタンとインドの3カ国が死刑を執行した。
報告書は中東諸国の死刑執行数の多さを「大きな懸念要因」と指摘。なかでもイラクでは前年のほぼ2倍の少なくとも129人が処刑された。そのほか、イランで少なくとも314人、サウジアラビアで少なくとも79人の死刑が執行されたという。
米国では前年と同数の43人が処刑された。死刑判決を受けた人数は80人で、米国で死刑が再開された1976年以降、2番目に少ない数となった。また州レベルではコネティカット州が全米で17番目の死刑廃止州となった。
アムネスティ・インターナショナルのサリル・シェティ事務局長は「世界の多くの国では死刑は過去のものとなりつつある。死刑を執行しているのは10カ国に1つの割合に過ぎない」と述べた。
事務局長は死刑に犯罪抑止効果があるとの証拠はないと指摘。「死刑を存続する真の理由は(抑止効果とは)別にあることが多い。それはポピュリスト的手段であったり、明らかな抑圧の手段だったりする」との見方を示した。