北朝鮮収容所の過酷な実態、「唯一の脱出者」が体験語る
各国のメディアの取材に応じて「北朝鮮の人権状況に注目が集まったことはうれしく思う」と話す一方で、「私の個人的事情の方に関心が向くことは望まない」「個人的には自分の過去から逃げ出したい。体は北朝鮮から脱出したが、心はまだ脱出できず、記憶はまだあそこにある」と打ち明けた。
ハーデン氏は、これまでに60人以上が、北朝鮮の強制収容所について申氏と同じような体験を詳細に語っていると説明、「シン氏の悲惨な物語は、ここから400キロも離れていない場所で、今この時も続いている」と訴えた。
同書などがきっかけとなって、3月にスイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会では、北朝鮮が「深刻、広範、かつ組織的な」人権侵害を行っているとして、調査に乗り出すことで合意。このほど委員が任命された。
3人の委員は北朝鮮での行方不明者や拉致事件、食糧管理、拷問などの問題について調査し、9月に中間報告を行って、来年3月までに最終報告書をまとめる。
これに対して北朝鮮は、人権侵害の事実はないと反論、市民は「誇りと尊厳をもって幸福に」暮らしていると主張している。