イスラム教を「冒とく」、ブログ記載巡り有罪判決 トルコ
イスタンブール(CNN) トルコの裁判所は24日までに、インターネット上のブログに掲載されたイスラム教の預言者ムハンマドに関する記述を巡り、宗教を冒とくした罪でトルコ系アルメニア人に禁錮1年45日の有罪判決を言い渡した。アナトリア通信が伝えた。
同通信によると、裁判所はセバン・ニサニャン被告が「一定数の国民が有する宗教的価値観を公然と侮辱した」ことを理由に有罪判決を下したという。
被告は判決の翌日、CNNの電話インタビューに答え、控訴の意向を明らかにするとともに、訴追はイスラム主義政権による政治的な迫害だと述べた。
被告によれば、問題となったのは昨年9月に掲載したブログの内容。ムハンマドを侮辱したとされる米映画に対する中東での抗議運動に触れ、「数百年前に神とのコンタクトに成功したと主張し、その結果、政治的、経済的、性的な利益を得たアラブ指導者をからかうことは『ヘイトクライム(憎悪犯罪)』ではない。これは表現の自由の幼稚な水準の実例だ」と書いたという。
ブログ掲載後、検察は被告を3カ所の裁判所で訴追。イスタンブールでの刑事裁判では弁護士も付かなかったという。被告は裁判で、宗教指導者の経歴を議論することで訴追される事態があってはならないと主張したという。
同国でイスラム教への冒とくを理由に有罪判決が出されたのは今回が初めてではない。4月には同国のピアニストがツイッター上での発言をめぐって執行猶予つきの有罪判決を言い渡されている。