トルコ首相、公園開発計画を一時棚上げ デモ隊に「譲歩」
イスタンブール(CNN) トルコのエルドアン首相は14日、過去2週間続く反政権デモの発端となった主要都市イスタンブールのゲジ公園再開発計画を一時棚上げにするとの考えを表明した。
開発計画への抗議行動に関する裁判所の裁断が出るまでの措置としている。首相の提案は政権批判を収束させるための譲歩と受け止められ、抗議デモ隊は一応好感している。
トルコ政府当局者によると、裁判所判断が反政権デモ隊の意向に沿わなかった場合、開発計画の是非に関する住民投票を実施する。
エルドアン首相はまた、反政権デモ隊に対する警察の過剰な実力行使を調査させると約束した。同首相は13日、首都アンカラにある自邸でイスタンブール・タクシム広場のゲジ公園の占拠を続ける抗議デモ隊指導者らと会談後、計画の一時棚上げなどを打ち出した。
デモの中心グループ「タクシム結束プラットホーム」はイスタンブールでの会合で、首相の提案を評価しながらも、問題解決のための「最初の措置に過ぎない。抵抗は続ける」と宣言した。
首相は14日、テレビ放送を通じた演説で、ゲジ公園で野営する住民らに撤退を呼び掛けた。ただ、タクシム広場などで寝とまりする抗議デモ隊が撤収に応じるのかは不透明となっている。
開発計画では同公園を壊し、ショッピングモールの建設を予定。計画への反発は、イスラム系政権率いるエルドアン首相の強権批判にも転じ、抗議デモは全国にも波及していた。同政権の政策は、政教分離の国是を逸脱しているとの批判もくすぶっていた。