ブラジルの反政府デモ、「休戦日」はさむも収束は見えず
サンパウロ(CNN) サッカーのコンフェデレーション杯を開催中のブラジルで、バス運賃の値上げをきっかけに始まった反政府デモは19日、いったん沈静化したが、20日には再び大規模なデモが予定されており、当局は警戒を強めている。
地元メディアによれば19日、サンパウロ州政府はバス運賃の値上げを撤回した。また、一部の州ではバス運賃を引き下げる州法が成立している。
サンパウロのハダッド市長は値上げを抑制すれば他の地域の整備に回す投資が減少し、最終的には値上げ分の増収も無駄になってしまうと述べた。
これに対しデモ隊は、政府はサッカーのワールドカップ(W杯)や2016年のオリンピックのための多額の設備投資をし、貧困層にしわ寄せが来ていると主張している。
一方、ブラジルのフェルナンデス・スポーツ副大臣はW杯や五輪への投資には医療や公共交通機関を整備する金も含まれるとし、「W杯主催と医療や教育への投資が相いれないというのはまったくあり得ない」と語った。
だがこうした声はデモ隊には届いていない。デモ隊は土日に加え水曜日を『休日』としたため19日は何も起きなかったが、税金や生活費の高騰への抗議や、医療や教育の改善を求めて、数万もの人々がインターネットを通じて20日のデモに参加表明している。
18日のデモはブラジルの複数の都市で行われ、主催者によれば参加者は20万人を超えたという。
警察が静かに見守るなか、歌や太鼓も飛び出してデモはお祭り騒ぎの様相を呈した。「リオのカーニバルみたいだった」と、ある参加者は言う。だが一方ではデモに便乗し、店を略奪したり車に火を付けたりといった暴力行為を行う集団も現れたという。