エジプト軍、ムルシ大統領の権限剥奪
ムスリム同胞団も、同団体の放送施設が封鎖されたとしている。国営通信などの報道によれば、同胞団の幹部2人が拘束され、警察がさらに300人の行方を追っているという。
シシ国防相の発表を受け、首都カイロ中心部のタハリール広場に集まっていた反大統領派は熱狂ムードに包まれ、花火が打ち上げられた。一方、ムルシ氏支持派は「打倒軍政」など抗議の声を上げている。
軍は発表を前に、首都の要所に部隊を配備してナイル川にかかる橋を封鎖し、ムルシ氏支持派が集まっていた広場を取り囲んでいた。
3日に全土で起きた衝突では、少なくとも8人が死亡、340人が負傷したと伝えられている。
ムルシ氏はムバラク政権がデモで崩壊したことを受け、2012年6月に実施された大統領選で同国で初めて民意によって大統領に選出された。しかし景気低迷が続いて治安も悪化、観光客や投資家が遠のいて、反対派はムルシ氏の強権的な姿勢に対して批判を強めていた。