メッカにはマスク着用で、サウジ政府が呼びかけ 大巡礼控え
(CNN) 新型コロナウイルスの感染が広がっているサウジアラビアで、政府がイスラム教の聖地メッカを訪れる巡礼者に対し、人の多い場所でのマスク着用といった予防策を講じるよう呼びかけている。
メッカは世界中から大勢の信者が詰めかける大巡礼(ハッジ)を4カ月後に控えるほか、先週から始まった断食月ラマダンの間にも巡礼者が訪れる。
こうした状況の中で、サウジアラビアを中心に流行している「中東呼吸器症候群(MERS)」の感染が広がりかねないとの懸念が強まっている。
MERSはかつて大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じコロナウイルスの仲間によって引き起こされ、感染すると呼吸器系の症状が出る。
米疾病対策センター(CDC)が12日に明らかにしたところでは、これまでにMERS感染が確認された81人のうち、半数強の45人が死亡しているという。
サウジアラビアでの感染者はこのうち66人、死者は38人を占める。感染者は主に高齢の男性だという。
ただCDCによれば、現時点でSARSのような大流行が起きる兆候はほとんど見えていない。
サウジアラビア保健省は感染拡大を防ぐため、巡礼者などに対し、せきやくしゃみをした後は手を洗うことや、公共の場で目や鼻や口に手を触れないこと、人が多く集まる場所ではマスクを着用することなどを呼びかけている。他人の顔前でくしゃみをしてはいけないとも釘を刺した。
さらに、糖尿病のような慢性疾患やエイズのような感染性疾患も含め、免疫系統に問題がある人はメッカ巡礼を見合わせるよう促している。