福島原発の汚染水対策、政府が470億円投入へ
東京(CNN) 東京電力福島第一原子力発電所の汚染水問題をめぐり、日本政府は3日、対策に国費470億円を投入する方針を明らかにした。
政府の発表によると、このうち320億円は周辺の土壌を人工的に凍らせて原子炉建屋に地下水が流れ込むのを防ぐ「凍土遮水壁」の設置工事に使う。凍土壁を造る案は東電側から提示されていたが、今後は政府が主導権を握って工事を急ぎ、完成の前倒しを図る。
政府はまた、汚染水から放射性物質を取り除く処理装置の改良費用も負担する。計470億円のうち、今年度予算の予備費から210億円を拠出するという。
福島第一原発では先月、敷地内で汚染された大量の地下水が海に流出している問題が指摘されたのに続き、貯蔵タンクのひとつから汚染水300トンが漏れたことが発覚。原子力規制委員会はトラブルの深刻さを示すINES(国際原子力事故評価尺度)をレベル3(重大な異常事象)に引き上げた。
さらに別のタンクや配管からも高い放射線量が検出され、汚染の拡大が懸念されている。