オーストラリアで暴走族取り締まり強化、入れ墨業者に逆風
(CNN) オーストラリア南部ニューサウスウェールズ州議会は17日までに、暴走族取り締まりの一環として、入れ墨業者の経営者と従業員に対し、人間関係や犯罪歴などに関する細かい情報を届け出ることを義務づけた法律を可決した。
同州のシドニー周辺には、おしゃれな入れ墨店がいくつもある。子連れで来店できる健全性をうたう店もあるが、警察によればオーストラリアでは入れ墨店の4軒に1軒は暴走族と関係があるという。
こうした暴走族を標的にした法律は、オーストラリア各地で成立している。
北部クイーンズランド州議会も16日、暴走族のメンバーが入れ墨業を所有したり営業したりするのを禁じる法律を可決した。
同州では、暴走族の関係者が集まったり新しいメンバーを勧誘したりすることが禁じられているほか、重犯罪を犯した暴走族メンバーには通常よりも刑期を15~25年重くする法律が成立している。
同州政府はさらに警備業やスポーツクラブ、中古車販売といった業種から暴走族を締め出したり、暴走族専用の刑務所を設置したりする方針だ。
同州のニューマン首相は州議会で、暴走族を「容赦なく」取り締まるとの姿勢を示した。同首相は「ちゃんとした仕事に就き、きちんと法を順守する人間として振る舞い、まともなクイーンズランド州民になれば、刑務所に行く必要はなくなる」と語る。
だが暴走族に関する著書のあるジャーナリストのアダム・シャンド氏は、州政府が必要以上に暴走族の危険性を強調することが少なくないと指摘。「たいていの州でときおりこうしたことが起きるが、いつも他に問題があるか、(首長が)再選を狙っている時だ」との見方を示した。