デモ暴徒化で死傷者、総選挙は延期せず タイ
バンコク(CNN) タイの首都バンコク各地で26日、インラック政権打倒を目指す反政府デモが行われ、一部が暴徒化して警官隊と衝突した。こうした事態を受けて選挙管理委員会は、来年2月に予定される総選挙の延期を勧告したが、政府側は拒否している。
警察によると、この日市内各地で行われたデモには約2000人が参加。タイ・ジャパニーズスタジアム付近で起きた衝突では警察官1人が死亡した。ほかに警察官25人を含む129人の負傷者が出ている。
軍のトップは27日に緊急幹部会を招集した。
在バンコク米大使館は、「平和的なデモでも暴徒化する可能性がある。デモの地域は避け、大規模集会や抗議活動の付近では注意する必要がある」と呼びかけた。
インラック首相は状況を打開するため議会を解散し、来年2月2日に総選挙を実施すると発表したが、その後もデモは収まっていない。このため選挙管理委員会は、双方が合意に達するまで選挙を延期するよう政府に要請した。
これに対してポンテープ副首相は、「選挙を延期すれば憲法違反になる。改革プロセスは選挙と同時に実現できる」と述べ、選挙は延期できないとの見方を示した。