イラン議会、60%ウラン濃縮の新法案起草 追加制裁けん制
(CNN) イランの核開発問題で、同国議会は26日までに、米国などが新たな経済制裁を科した場合、自国政府に対し最大60%の濃度を目指すウラン濃縮活動に踏み切ることを要求する新たな法案を起草した。同国の国営プレスTVが報じた。
米上院で最近、イランが核開発問題に関する欧米との暫定合意などに違反した場合を想定し、追加制裁発動を求める動きが表出したことへ対抗措置とみられる。60%のウラン濃縮は核兵器化に大きく前進するとの指摘がある。
プレスTVによると、法案起草に関与した国会議員100人のうちの1人は法案が可決された場合、政府はフォルドゥやナタンズにあるウラン濃縮関連施設の完成を迫られるだろうと指摘。新たな制裁が打ち出された場合、イランの核開発の権利は侵害され、平和的な核利用の権利は欧米に無視されることになると説いた。
イランと、国連安全保障理事会の常任理事国にドイツを加えた6カ国は今年11月の会合で、イランのウラン濃縮活動の縮小や経済制裁の一部緩和を盛り込んだ第1段階の協定に合意。合意事項の実行を半年間続けながら、最終合意を準備するとしていた。
ただ、最終合意の成立をめぐっては予断を許さない状況となっている。
米上院での追加制裁の動きについては、オバマ大統領やケリー国務長官が最終合意の実現へ向けての外交努力が損なわれると反発。オバマ氏は追加制裁法案の成立には拒否権で対応する方針も示していた。
欧米諸国はイランによる核の軍事利用への疑念をくすぶらせている。