イスラエル情報機関が自爆テロを阻止、米大使館など標的
エルサレム(CNN) イスラエルの国内諜報(ちょうほう)機関「シンベト」は23日までに、同国のテルアビブにある米大使館などへの自爆テロ攻撃を謀議していたアルカイダ系工作員3人を逮捕したと発表した。
逮捕者は、エルサレム居住の2人とパレスチナ自治区ヨルダン川西岸に住む1人。同大使館の他、エルサレム・コンベンションセンターで自爆攻撃を画策していたという。
イスラエルの地元メディアによると、同国当局がパレスチナ戦闘員が絡むアルカイダ系による攻撃を事前阻止したのはここ数カ月で2件目。昨年11月にはヨルダン川西岸で銃撃戦が発生、イスラエル軍兵士がパレスチナ人3人を殺害していた。
シンベトの声明によると、今回の逮捕者の1人は東エルサレムに住むアブ・サラ容疑者。アルカイダの勧誘に応じ、シリアで訓練を受け、イスラエルに戻っていた。同国内では偽造したロシア語文書を使ってイスラエルに入国したグループと接触していたという。
今回のテロ計画がどの程度まで進展していたのかは不明。シンベトによると、爆発物製造を指示する、パレスチナ自治区ガザから同容疑者に送られたコンピューターファイルを見付けた。アブ・サラ容疑者は同コンベンションセンターへの道筋の地図をつくり、米大使館も調べていたという。
また、エルサレムからヨルダン川西岸のイスラエル入植地へ向かうバスを標的にした乱射テロも謀っていたとされる。ただ、米中央情報局(CIA)元工作員である安全保障問題専門家は、ヨルダン川西岸などへのアルカイダ勢力の浸透は極めて難しい情勢にあるとして、同容疑者らによるテロ計画の信ぴょう性を疑ってもいる。