北朝鮮、オーストラリア人宣教師を国外追放に
(CNN) 北朝鮮の朝鮮中央通信は3日、北朝鮮で先月拘束されたオーストラリア人宣教師の国外追放が決まったと伝えた。
拘束されていたのは香港在住のジョン・ショートさん(75)。同通信は追放の理由として「北朝鮮法の寛容さ」と「年齢への十分な配慮」を挙げた。
ショートさんは観光客として北朝鮮に入った後、平壌市内の仏教寺院周辺や混雑した地下鉄の中でキリスト教関連のパンフレットを配布したとされる。
同通信は、ショートさんの謝罪文とされる文章も公開した。「北朝鮮の人々を怒らせ、侮辱したこと」や「打ち消しようのない敵対行為」を反省し、許しを請う内容だ。
キリスト教関連のウェブサイトによると、ショートさんは過去に中国でも布教活動を理由に何度か拘束され、1990年代には2年間近く入国を禁止された。
北朝鮮では昨年、韓国系米国人のペ・ジュンホ(米国名ケネス・ペ)氏(45)がキリスト教活動を通し政権転覆を図ったとして、15年の労働教化刑を言い渡された。北朝鮮には当局管理下のキリスト教会がいくつかあるものの、独立した宗教活動は禁止されている。北朝鮮の人権に関する国連調査委員会の報告書によると、キリスト教の普及は重大な脅威とみなされ、実践現場が見つかると厳しく処罰される。