「生きていた」麻薬王、軍が射殺 3年前に死亡発表
(CNN) メキシコ当局は9日、同国の麻薬王として知られたナサリオ・モレノ容疑者を射殺したと発表した。同容疑者は2010年、軍との銃撃戦で死亡したと発表されたが、その後も生存説が絶えなかった。
メキシコ国家公安機構の責任者によると、軍部隊は9日、モレノ容疑者を追い詰めて拘束しようとしたが、同容疑者が発砲したため射殺した。
モレノ容疑者を巡っては、カルデロン前政権が10年12月、2日間にわたる銃撃戦の末に殺害したと発表。政府がその裏付けを示さなかったことから「まだ生きている」とのうわさが流れた。11年には検察当局が、遺体は収容されず死亡を確認できなかったと認めた。指紋や写真も残されていなかった。
当局によると、9日に射殺された人物は、指紋から同容疑者本人であることが確認された。まもなくDNA鑑定の結果も出るという。
モレノ容疑者は中西部ミチョアカン州で麻薬組織「ラ・ファミリア」を設立し、同州住民の自称「救世主」として経済的、政治的な影響力を行使していた。モレノ容疑者の死亡が伝えられた後、同組織は分裂したが、州内の自警団は最近、生き延びた同容疑者が分派の組織「テンプル騎士団」を指揮していると主張していた。