イランが米空母模倣の巨大「模型」 プロパガンダ用か
(CNN) 米政府当局者などは22日までに、イランがペルシャ湾に面する南部の港湾都市バンダルアバス近くで米空母に似せた巨大な「模型」を造っていることを明らかにした。
ニミッツ級(CVN68)の空母を模倣したとみられ、甲板上には「68」の数字も描かれている。偽の米国製航空機も準備しているという。
ただ、米政府はこの模型は稼働可能ではなく、イランに空母の建造能力はないとも分析。米政府当局者は、空母の模型は実際の戦闘艦船というよりハリウッド映画のセットに近いという。
模型の目的や使途は不明としながら、完成後に破壊するプロパガンダ戦術の一環の可能性があるとも述べた。イランは過去に船舶を爆破させ、その画像を国営メディアで流したことがある。
CNNは、この模型の製造現場をとらえた商業衛星の画像を入手した。
ニミッツ級空母は米海軍戦力の主力で、世界最大規模の艦船となっている。
イランは自国の核開発計画で欧米と対立しているが、昨年11月には計画の一部停止や欧米が打ち出す経済制裁の緩和などを盛り込んだ「第1段階の合意」が成立していた。この合意は期間限定で、イランと米英独仏中ロの6カ国は現在、「包括合意」を目指して協議を進めている。ただ、相互不信は根強いとされ、包括合意の交渉は難航が予想されている。