登山隊の撤退相次ぐエベレスト 雪崩事故の影響で
ネパール・クーンブ渓谷(CNN) 世界最高峰のエベレストで4月18日に発生した雪崩事故の影響を受け、今シーズンの登頂を断念する登山隊が相次いでいる。ガイド役を務める地元シェルパの多くが登山中止を決めたためだ。
イタリアから訪れていた登山隊はベースキャンプに10日間待機した末、荷物をまとめて下山する最終決定を下した。待機中にもひとつ、またひとつと、ほかのチームが撤退していった。
ネパールの首都カトマンズとベースキャンプの間を、ヘリコプターが絶え間なく行き交う。乗っているのはカトマンズへ向かう交渉役のシェルパ、ベースキャンプへ向かう政府当局者、そして下山を決めた登山隊のメンバーだ。地上では荷物を満載したキャラバンが山道を下りていく。
エベレストの天候が安定する登山シーズンは、まだ約1カ月残っている。「それなのにどうしてみんな帰ってしまうのか」――ドイツ人の登山者が不満を口にする。
エベレスト史上最悪の規模となった雪崩事故では、シェルパ13人が死亡、3人が行方不明となった。