ロシア軍が一部撤退、OSCE要員が不明 ウクライナ情勢
ウクライナ・ドネツク(CNN) 米国防総省と北大西洋条約機構(NATO)は28日、暫定政権軍と親ロシア派武装勢力の交戦が続くウクライナ東部情勢に関連し、国境沿いに展開しているロシア軍部隊のうち少なくとも数千人規模が撤退したと発表した。
ただ、国防総省報道官は、これを除く、数万人規模のロシア軍部隊の戦闘態勢は依然続いていると指摘。NATO当局者は、東部国境沿いに集結するロシア軍は装備品や補給品をまとめ、移動を準備している形跡が見られるが、撤収は緩やかな速度で進んでいることを示唆していると指摘した。
ロシアのプーチン大統領は今月19日、ウクライナ東部国境近くにいる数万人規模の部隊に撤退を命じたと宣言。撤収は既に開始され、完了まで一定の時間を要するとも述べていた。これに対しNATOのラスムセン事務総長は同大統領の発表から数時間後に部隊引き揚げの兆しはないと説明していた。
一方、ウクライナ外務省報道官は28日、同国東部のドネツク市で欧州安保協力機構(OSCE)の監視員4人が消息を絶ち、親ロシア勢力に拘束されていることが判明したと述べた。解放交渉を進めていると語った。
OSCEによると、4人の国籍はスイス、トルコ、エストニアにデンマークで、ドネツク市東部で通常の巡回活動を行っている際に交信を絶っていた。
ドネツク州スラビャンスクでは過去にも複数のOSCE要員が親ロシア派の武装勢力に拘束される事件があった。要員は約1週間後に解放されていた。
また、ウクライナ内務省は28日、東部ルガンスク州にある軍基地が同日攻撃を受け、軍関係者と襲撃グループの双方に死者が出たと発表した。襲ったのはテロリストと主張している。