冷蔵施設で作業員7人の遺体見つかる カラチの空港襲撃
カラチ(CNN) 武装勢力がパキスタン・カラチの国際空港を襲撃した事件で、空港内の冷蔵施設に閉じ込められていた民間貨物会社の作業員7人が10日朝、遺体で発見された。
襲撃は8日深夜に発生し、7人の救出作業は9日から続いていた。地元シンド州の保健相によると、冷蔵施設に隣接するホールでは襲撃の際に火災が発生した。救助チームが重機を使って施設内に入り、7人の遺体を収容したという。
現地のCNN系列局が伝えたところによると、作業員らの家族は空港へ通じる道路の通行を阻止し、当局に捜索を急ぐよう要求。シンド州のカーン知事は「救出作戦での職務怠慢が確認された場合は責任者を処罰する」と表明していた。
軍によると、襲撃による死者は、犯人側の10人を含め計29人。負傷者は24人に上った。イスラム武装勢力「パキスタン・タリバーン運動」(TTP)が犯行声明を出している。
パキスタン政府は数日前、各州当局に「主要施設などで人目を引く攻撃が計画されている恐れがある」と警告したが、この空港には言及していなかった。
TTPの代表者は空港を攻撃した理由について「民間の犠牲者を減らし、当局の職員らをより多く殺害できる場所を選んだ」と説明。「10日から国家との全面戦争に入る」と宣言したうえで、「今からでも政府側が折れれば、対話に応じる用意がある」と述べた。
同国西部クエッタのイラン国境付近では8日、自爆テロ2件が相次いで発生し、当局によれば犯人側の4人を含む24人が死亡した。負傷者18人のうち14人が重体とされる。現場近くのホテルには、イランから訪れたイスラム教シーア派の巡礼者数十人が宿泊していた。スンニ派系の過激派組織が犯行声明を出している。