母国を捨てる富裕層、その理由は
アートンキャピタルの社長であるアルマンド・アートン氏によれば、課税逃れ以外の移住目的として挙げられるのは、質の高い教育、政情不安の回避、ビザの必要ない外国旅行、高い生活水準などだ。
投資移民の出身地として最も多いのは中東で、インドと中国がこれに続いている。アートン氏によれば、最近では、政治情勢の不安定さを懸念したロシア人富裕層からの問い合わせが多いという。
移住先として最も人気があるのは欧州であり、次にくるのが節税に有利なカリブ諸国だ。アートン氏によれば、中東の投資家に好評なのはこの2地域だが、中国人はアメリカンドリームを目指して米国を目指す例が多い。二重国籍の取得を禁じられている中国人にとって、グリーンカード(米国永住権)を入手できるという意味でも米国のプログラムは魅力的だ。
実際、CNNが米国政府のデータを分析したところ、米国の投資移民プログラムでは中国人が80%を占めていた。
ランバス氏は「グローバル志向の富裕層には投資移民が必須になりつつある」と指摘した。