座礁客船が2年半ぶりに浮上、依然1人が行方不明 イタリア
イタリア・ジリオ島(CNN) イタリア中部のジリオ島沖で14日、2年半前に座礁した大型客船「コスタ・コンコルディア」の船体を浮上させる作業が行われた。
作業はこの日朝から始まり、正午ごろまでには船体を浮かべることに成功した。船体は同国ジェノバに曳航(えいこう)され、解体される。
コスタ・コンコルディアは2012年1月、乗客4200人あまりを乗せて座礁した。この事故で32人が死亡。ウェイターだったインド出身のラッセル・レベロさん(当時33)の遺体はいまだに見つかっていない。レベロさんは乗客を助けて救助船に乗船させる姿を目撃されたのが最後だった。
昨年9月には、横倒しになっていた船体(重さ11万4000トン)を引き起こす作業が行われ、その後10カ月かけて船体の側面に金属容器を装着。この容器に空気を送り込んで船体を浮上させた。
浮かんだ船体を東へ30メートル移動させた時点でこの日の作業は終了。15日に船底部の補強作業を行った後、甲板のがれきを除去しながら船体をさらに引き揚げ、240キロ離れたジェノバに向けて曳航する。