ハマスによるイスラエル兵拘束、イスラエルは否定
ガザ市(CNN) パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは20日、イスラエル軍の兵士1人を拘束したと発表した。これに対してイスラエルのプロソル国連大使は同日、「拘束された兵士はいない。そのようなうわさは事実でない」と否定した。
ハマスの軍事部門カッサム隊の報道担当者は、同日早朝の作戦でイスラエル兵を捕らえたとして、この兵士の身元を公表。「イスラエル側が死傷者に関してうそをついた場合、兵士の運命はかれらの責任だ」と述べていた。
現地のCNN取材班によると、ガザではこの知らせを受け、住民の間から歓声と祝砲が響いた。
ハマスは2006年にもイスラエル軍兵士1人を拉致。約5年後、パレスチナ人受刑者1000人以上の釈放と引き換えに解放に応じた経緯がある。
ガザ東部シャジャイアでは20日、イスラエル軍の集中攻撃から逃れようと、数百人の住民がガザ市へ避難した。ハマスはシャジャイアからイスラエル側に向けてロケット弾を発射した。
イスラエル軍は3日前からシャジャイアの住民に電話や文字メッセージ、ビラなどで「テロ拠点を空爆する」と警告。ガザ市への避難を呼び掛けていた。
一部の住民は「逃げても危険に変わりはない」として警告を無視した。これに対してイスラエル軍は、ハマスが住民を市内にとどまらせ、危険にさらしていると批判した。