251人の遺体発見、ブラックボックス回収か マレーシア機撃墜
ウクライナ・グラボベ(CNN) ウクライナ東部に墜落したマレーシア航空の旅客機は、発生から3日たった20日も乗客乗員298人の遺体の状況やブラックボックスの所在がはっきりせず、調査団が墜落原因を究明できる見通しも立っていない。
ウクライナ政府は20日までに251人の遺体が発見されたことを明らかにした。遺体は親ロシア派の武装勢力が列車の冷蔵車両に保存していて、引き渡しに向けた交渉が行われているという。
現地に監視団を派遣している欧州安保協力機構(OSCE)広報によると、監視団は墜落現場から約15キロ離れた駅で車両の内部を調べ、冷凍されていることを確認した。ただ、遺体の数までは確認できなかったといい、「国際専門家が到着するまで車両は動かさないと告げられた」としている。
親ロシア派が樹立を宣言した「ドネツク人民共和国」指導者のボロダイ氏は20日、米ABCの取材に対し、「我々も遺体を遺族に引き渡したいと思っている。だが国際調査団がここで遺体を調べなければならない」と強調した。
一方、ボロダイ氏は、同機の飛行データとコックピットの音声が記録された装置と思われるものを回収したと共和国のウェブサイトで発表した。専門家が調べてブラックボックスだと確認されれば国際調査団に引き渡す意向だが、ウクライナ政府に渡すつもりはないとしている。