ダウン症の男児引き取った代理出産母に支援の手
依頼人の夫妻とは3回だけ会った。紹介機関からは、報酬30万バーツ(約96万円)の全額を受け取っていないという。
しかしその報酬も今や必要ではない。心臓に異常のあるギャミー君のため、手術費の援助を呼び掛けたインターネットの資金調達サイトには、わずか12日間で21万5000ドル(約2200万円)が寄せられた。
「とてもうれしい。貧しい私たちにこの子の医療費は出せないから」と、パッタラモンさんは話した。
タイの孤児らを支援するオーストラリアの慈善団体、「ハンズ・アクロス・ザ・ウォーター」が募金を引き継ぎ、今後はギャミー君の教育費などを視野に入れた長期的な資金援助を呼び掛けていくという。
代理出産の依頼人となった自身の経験を基に希望者支援の団体を率いるサム・エバリンガムさんによると、依頼人には通常、胎児の画像が定期的に送られる。夫妻がギャミー君のことを知らなかったとは考えにくいという。
エバリンガムさんは「代理出産は多くの場合、双方に幸福と幸せをもたらしてくれる」と強調したうえで、「こうしたケースは、特にタイなどで監督、規制を強化する必要があることを示している」と述べた。
専門家らは、ギャミー君のようなケースは初めてではないと指摘し、代理出産のビジネスを監督する国際的な枠組みを作るべきだと訴えている。