チャド軍、ボコ・ハラム拉致の85人救出
ナイジェリア・カノ(CNN) ナイジェリアなどに拠点を築くイスラム過激派「ボコ・ハラム」が先週、同国北部ボルノ州で2カ所の村落を襲い、若者の男性と少年、複数の女性計97人を拉致した事件で、チャド軍部隊が17日までに、男性ら85人の救出に成功した。
ナイジェリアの治安当局筋などが明らかにした。拉致事件は10日夜から11日未明にかけ、チャド湖畔のドロン・バガ村で発生、ボコ・ハラムは住民28人を殺害し、多数の民家も焼き打ちにしていた。被害者はその後、モーターボートに乗せられ隣国チャドに連れ去られていた。
村民は拉致の被害者は兵士として徴用されることを懸念していた。
ナイジェリアの治安当局筋によると、チャドの治安当局が同村で拉致されたとみられる85人を乗せたバスの車列をチャド湖のチャド側での通常の監視行動で見付け、走行を阻止。車列はボコ・ハラムの武装兵6人に率いられ、バスの乗客の多さで不審を抱いたという。
ナイジェリアの国家人権委員会の当局者によると、乗客は男性63人に女性22人だった。
拉致の残り被害者30人以上はモーターボートに乗せられていた。チャド軍兵士が車列を調べ始めた際、ボコ・ハラムは逃げ去ったという。
ボコ・ハラムはナイジェリア北部でイスラム国家の樹立を目指す武装闘争を5年にわたって展開し、誘拐なども繰り返している。ボルノ州チボクでは今年4月、学校を襲撃し、寄宿舎から200人以上の女子生徒を連れ去っていた。