ケニア大統領、国際刑事裁に出廷 現職元首で初
(CNN) 2007年の大統領選挙後の暴動をめぐり、人道に対する罪などに問われているケニアのケニヤッタ大統領(52)は8日、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に出廷した。現職の国家元首がICCに出廷するのは初めて。
出国に先立ち、大統領は副大統領を大統領代行に指名。ICCには私人として出廷すると述べた。
07年の暴動では1000人以上が死亡した。数十万人が故郷を追われた。対立候補を支持する異なる民族同士が、住宅に放火したり襲撃したりする暴動が翌年初めまで続いた。
ケニヤッタ大統領は、当時のキバキ大統領を支持しており、対立グループを襲った武装組織に資金援助を行ったとして起訴されている。
7日、検察側はケニア政府が大統領にとって不利になる重要な書類を提出しないと非難。弁護側はそのような事実はないと否定した。
ケニヤッタ大統領は「私はすべての罪状について無実だ」と、オランダに向かう飛行機に搭乗する直前に語った。
検察側はこれまで、証拠が集まらないことなどを理由に公判開始を何度も延期してきた。
ICCは9月、「通常の状況であれば、証拠不足は起訴取り消しの理由となりうる。だがケニア政府がICCの要求に対し、十分な協力をしていないという点から、この段階で起訴を取り下げるのは不適切だ」との立場を明らかにしている。