エボラ熱克服の看護助手、愛犬の殺処分巡り提訴 スペイン
(CNN) スペインの病院でエボラ出血熱に2次感染し、無事回復して退院した看護助手が、愛犬を殺処分した対応は不当だったとしてマドリードの自治体を提訴する意向を示した。
テレサ・ロメロ・ラモスさんはエボラ熱の患者を看護していて2次感染した。回復して11月に退院したものの、愛犬の「エクスカリバー」はウイルスに感染した恐れがあるとして、当局に殺処分された。
ロメロさんはマドリードからCNNの取材に応え、「私の容体が重かったため誰も外の世界で起きていることを教えてくれなかった」と声を詰まらせた。
夫のハビエル・リモンさんから電話で愛犬の死を知らされたのは、エボラを克服して血液検査で陰性反応が出た日のことだった。「あまりに悲しい知らせだった。完全に予想外で、何も言葉が出なかった」
今もその悲しみは癒えていないといい、エクスカリバーがウイルスに感染しているかどうかも確認しないまま処分されたことは納得できないとロメロさんは話す。「あんな形で犬を犠牲にするのではなく、隔離して監視すべきだった」。
米テキサス州で感染した看護師のニナ・ファムさんの場合、愛犬のベントリーは隔離され、検査で陰性反応が出たことを確認した後にファムさんとの再会を果たしている。
ロメロさんの弁護団は15万ユーロ(約2200万円)の損害賠償を求める意向だ。「犬が殺されると分かっていれば、(エボラ患者の看護に)自主的に応じたりはしなかった」とロメロさんは話している。