イラク軍、4月にもISIS主要拠点奪回へ 2万5千人投入
ただ、奪還作戦の成功を疑問視する見方はペシュメルガ内にある。高位司令官は作戦は現実的ではないとし、イラク軍だけが実行するのであれば、うまくいかないと指摘。「イラク軍には戦う準備がない」とも言い切った。
米政府当局者によると、モスル内に配置されるISIS戦闘員は推定で1000~2000人。イラク軍の攻撃に脅威を感じた場合、戦闘員が追加招集されるだろうとも述べた。
イラクでのISIS掃討作戦を主導する米中央軍当局者は最近、モスルの攻略作戦は6月半ばから7月半ばまでの断食月や夏の熱波を回避するため、4月もしくは5月に実行するのが望ましいとの考えを示していた。
モスル奪還作戦が実行に移された場合、米軍の役割も焦点となる。イラク内での米軍の任務は現在、オバマ政権の意向もあり、ISIS拠点への空爆とイラク軍訓練の教官役に限られている。
しかし、オースティン中央軍司令官と米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長は先に、空爆のより正確な標的設定などで少人数規模の米軍兵士の地上配備が必要になる可能性に言及。中央軍当局者は今月、ISISがモスル周辺の防御態勢を強化した場合、軍事標的の特定などでイラク軍を手助けする必要性が一層高まるとの見方を示していた。