米国務長官がロシアを非難、追加制裁に言及
(CNN) 米国のケリー国務長官は21日、訪問先のロンドンでハモンド英外相と会談した。会談後の記者会見でウクライナ情勢を巡るロシアの動きを厳しく非難し、同国に追加制裁を科す可能性に言及した。
ウクライナ東部では15日に停戦が発効した後も政府軍と親ロシア派の戦闘が続く。欧米諸国は、ロシアが親ロシア派に武器や兵員を提供しているとの批判を強めている。
ケリー長官は、ロシアが和平支持を表明したにもかかわらず、ウクライナで「土地の強奪」を続けていると非難。「ロシアの行動は断じて容認できない。したがってわれわれは追加制裁を検討している」と述べた。
ロシアが親ロシア派への直接支援を否定していることに対しては、「テクノロジーと衛星の時代に隠し事はできない。われわれはロシアが何を提供し、どのように関与しているかを確実に把握している」と主張した。
一方、停戦発効後も激しい戦闘が続いたウクライナ東部ドネツク州の要衝デバリツェボからは、18日に政府軍が撤退を余儀なくされた。ウクライナのビリュコフ大統領顧問によると、デバリツェボで同日までの1カ月に死亡した政府軍兵士は179人に上った。さらに兵士110人が捕らえられ、81人が行方不明となった。
同州ではこの1週間のうちに、州都ドネツクでも砲撃が激化し、州南部の港湾都市マリウポリで衝突が報告された。ウクライナ国防当局は20日、停戦違反が300件に達したと発表した。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、昨年4月以降のウクライナ東部での死者は18日の時点で5700人近くに上り、100万人以上が住む場所を失っている。