英ウィリアム王子、初の訪中へ 外交手腕の試金石に
(CNN) 初来日した英ウィリアム王子は3月1日から3日間の日程で中国を訪問する。英王室の主要なメンバーとしては30年ぶりの訪中だ。
中国では以前から、英国文化へのあこがれがとても強い。
テレビドラマ「シャーロック」や「ダウントン・アビー」は大人気。「ダウントン・アビー」をきっかけに執事への需要が高まったほか、エリート層ではツイードの服を着たりシカ狩りをしたりする人たちも出てきたという。
また、上海の郊外には英国の街並みそっくりの新興住宅地が出現。赤い公衆電話ボックスまで英国そのものだ。
こうした英国文化への愛着をウィリアム王子はうまく利用できるのか、今回の訪中は、王子の外交手腕が初めて本格的に問われる機会だとの見方もある。
「最も重要な外交関係の1つとなるだろう(英中)関係を王子がどう扱うかが見えてくるはずだ」と言うのは、シドニー大学のケリー・ブラウン教授だ。
対中関係において英王族は失敗を繰り返している。エリザベス女王夫妻が1986年に訪中した際には、夫のエジンバラ公が英国人留学生に対し「長くこの国にいるとみんな目が細くなるぞ」と発言して問題となった。
チャールズ皇太子は97年に香港を訪ねた際、中国の指導層を「ぞっとするような古いろう人形」にたとえて物議を醸した。
「王子が(中国と)何らかの絆を築き、自然にそれを示すことができるかどうかが重要だと思う」とブラウン教授は言う。
中国におけるウィリアム王子の「スター」としての実力は未知数だ。英テレグラフ紙が北京の人々にウィリアム王子夫妻の写真を見せて調査したところ、誰か分からないと答える人が続出。訪中が一般の中国人の関心を呼べるのか不安視する声もある。