欧米との核交渉合意は「手の届く範囲」 イラン大統領
(CNN) イランのロハニ大統領は21日、核開発問題をめぐる欧米など6カ国との協議に触れ、合意成立は手の届く範囲にあるとの認識を示した。国営イラン通信が報じた。
ここ数日間の協議で双方は新たな共通の下地を見いだしたと指摘。「総論的な合意の達成は容易だが、特定の分野の細部も含めた合意成立への作業は非常に手強く複雑になる」と述べた。
イランと国連安全保障理事会常任理事国にドイツを加えた6カ国の協議はスイスのローザンヌで開かれている。枠組み合意の交渉期限は今月31日までとなっている。イランと6カ国は2013年11月、一時的なウラン濃縮活動の制限などを盛り込んだ「第1段階の合意」を結んでいた。
今回交渉には米国のケリー国務長官とイランのザリフ外相も参加。長官は21日、合意へ向けて顕著な進展はあったものの重要な溝は埋め切れていないとの見方を示していた。
欧米の政府当局者によると、協議ではこれまで大きな対立点となっていた複数の問題で妥協が成立した。欧米の外交官2人はCNNに、ウラン濃縮に使う遠心分離器の数では話し合われていた6500基ではなく6000基の水準で固まりつつあるという。
ただ、イランが即時解除を目指す欧米による経済制裁問題での話し合いは歩み寄りが見られていない。欧米はイランによる合意事項の順守状況をにらみながら数年間にわたる段階的解除で譲歩していないとみられている。