インド・スラム街で密造酒被害、99人死亡
インド・ムンバイ(CNN) インドの金融中心地ムンバイのスラム街で密造酒を飲んだ住民の健康被害が相次ぎ、警察によるとこれまでに99人が死亡した。さらに46人が病院に運ばれ、多数が重体になっている。
事件に関連して男4人と女2人が逮捕され、地元の警官8人が職務怠慢の責任を問われて停職処分となった。
密造酒はムンバイの大規模スラム、ラクシミナガールで出回った。日雇い労働者だった35歳の男性は妻と幼い子ども3人を残して死亡。22日、遺体が家族の元に戻ると、集まった200人あまりから大きなすすり泣きの声が漏れた。
ラクシミナガールの住民の多くは貧しい日雇い労働者で、住民によると1日の稼ぎは50~100ルピー(100~200円)程度。清掃や汚水処理といった仕事のストレス解消をアルコールに頼る人も多い。
排水路の清掃員をしている夫が密造酒を飲んで重体になったという女性は、「感覚をまひさせて臭いを消すために飲むしかなかった」とつぶやいた。この女性は父親も密造酒のために亡くしているという。
密造業者が使っていたという2軒の家屋は22日の時点で閉鎖されていた。
インドでは有害なメタノールを含む安い密造酒のために死者が出る事件が後を絶たない。2011年には西ベンガル州で160人以上が死亡。今年1月にもウッタルプラデシュ州で25人が死亡、125人が病院に運ばれた。