国連幹部、シリアの惨状に「戦慄」 一段の国際援助呼び掛け

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内戦でがれきの山と化した首都ダマスカスにある難民キャンプ

内戦でがれきの山と化した首都ダマスカスにある難民キャンプ

(CNN) 内戦が続くシリアを訪問したスティーブン・オブライアン国連人道問題事務次長は17日、3日間の日程を終えて記者会見し、「市民の生命がこの紛争の全関係者によって完全に無視されていることに戦慄(せんりつ)した」と振り返った。

オブライアン氏はさらに、「民間人に対する違法な攻撃を容認してはならず、阻止しなければならない。暴力と戦闘にかかわっている全関係者に対し、市民を守り、国際人道法を尊重するよう求める」と訴えた。

シリアでは2011年以来の内戦で25万人以上が死亡、100万人以上が負傷した。避難民や難民となった人は全人口のほぼ半数を占める。

16日にも反体制派が制圧するダマスカス近郊の町ドゥーマが政府軍に空爆され、活動家などによると82人が死亡、少なくとも250人が負傷した。

シリアの紛争は地域の安定を脅かすとオブライアン氏は述べ、国際社会による一層の援助を呼びかけている。今年の人道支援活動のうち資金を調達できたのは30%に満たないとも指摘した。

同氏はまた「同時に政治的解決の道を残しておかなければならない。武力による解決はあり得ず、人道的解決も存在しない。市民の命を守るために最善を尽くすことは可能だが、我々がどんなことをやったとしても十分な成果は得られないだろう」と語っている。

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