「パレードブルー」から一転、1日で灰色の空に 北京
北京(CNN) 終戦70年の記念式典が3日に行われた中国・北京で4日、この2週間近く青空が広がっていたのが一転、大気汚染に見舞われた灰色の空が戻ってきた。
中国当局は抗日戦争勝利70年を記念する巨大パレードの背景を青空とするため、大規模な施策を展開。このため北京では8月下旬から、珍しく澄み切った空が広がっていた。
数百軒の工場を操業停止にしたほか、北京に登録されている車500万台の半数を路上から追放したのが奏功し、パレード当日の朝、大気汚染の程度を示す大気質指数(AQI)は非常にきれいな状態を示す17(最も悪い数値は500)にまで下がった。喜んだ市民は「パレードブルー」という言葉も作った。
しかし現在は車が通行を再開し、「北京グレー」が回帰。4日のAQIは「健康に悪い」とされる160に跳ね上がっている。米環境保護局(EPA)の説明によると、この水準の大気汚染では「全ての人が健康に悪影響を感じ始め、敏感な人にはより深刻な影響がある」という。
中国政府は大気汚染の批判に神経をとがらせており、この数日、パレードブルーという言葉も中国のインターネットから消えているようだ。CNNが中国版ツイッターの新浪微博(ウェイボー)を検索したところ、出てきた投稿は3件のみだった。
パレードブルーの前には「APECブルー」があった。昨年11月に北京でアジア太平洋経済協力会議(APEC)が行われた際の2週間、青空が実現したことを指している。各国首脳が立ち去るとすぐに煙まみれの空が戻ってきたため、中国のインターネットでは、すぐに消え去ってしまう美しいものを指す言葉として「APECブルー」が使われ始めた。