「島を見付けた」 難民受け入れ提案の富豪、買収交渉へ
ロンドン(CNNMoney) 地中海の島を自費で購入してアフリカや中東からの難民を受け入れる意向を示していたエジプト人富豪、ナギーブ・サウィリス氏が、ギリシャにある個人所有の島の買収に乗り出したことが17日までに分かった。
通信企業グループ「オラスコムTMT」の経営者で中東でも指折りの富豪とされるサウィリス氏は、ギリシャで難民受け入れ計画にぴったりの島を2つ見つけたと明らかにした。
サウィリス氏は声明で「所有者と連絡を取り、交渉に入りたいと伝えた」と述べた。
島の名前はトルコ沖で溺死(できし)したシリア難民の男の子アイラン・クルディ君にちなみ、「アイラン島」とする意向だ。
トルコの海岸に打ち上げられた小さな遺体の写真は多くの人の心を打ち、欧州の難民問題への対応に強い批判が集まった。
サウィリス氏はCNNの取材に対し、「私を目覚めさせたのはアイラン君の写真だった。じっとして何もせず、他人事だなどというふりはできないそう思った」と語った。
計画発表後、サウィリス氏のもとには寄付をしたいとの反応が多く集まった。
サウィリス氏はまず1億ドルの資本金で会社を立ち上げ、さらに寄付を募ることを考えている。「寄付した人は引き換えに会社の株を受け取ることになる。つまりこの島の、プロジェクトの共同出資者になるわけだ。資産(島)がある限り、支払った金が完全に手元からなくなることはない」と説明する。
サウィリス氏の総資産は約30億ドルで、政党を立ち上げたこともある。一族にはエジプト有数の時価総額を誇る上場企業の会長もいる。