都市奪還へ米軍が空爆、戦闘で市民170人死傷 アフガン
クンドゥズの公衆衛生当局などによれば、この戦闘による民間人の死傷者は、死亡した16人を含めて170人に上っている。国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は28日の時点で100人を超す負傷者が出たと伝えていた。
一方、治安当局は、タリバーンの戦闘員83人がアフガン軍や有志連合の空爆で死亡したと発表。この中にはクンドゥズで指揮を執っていた司令官や側近が含まれるという。
アフガンの治安部隊は29日までに17人が死亡、18人が負傷した。
アフガンのガニ大統領は大統領府で行った記者会見で、刑務所と警察本部は治安部隊が奪還したと強調。陸軍大隊や特殊部隊もクンドゥズに到着し、「同市のテロリストは掃討されつつある」と語った。ただ、「敵は市民を盾として使っている」とも述べ、「市や民家を空爆することはできない」としている。このためクンドゥズ全体の奪還にどれくらいかかるかの見通しは立っていない。
クンドゥズはクンドゥズ州の州都で貿易の拠点でもあり、隣国タジキスタンへつながる主要道も同州を通っている。タリバーンは何カ月も前から同地に狙いを定め、戦闘員を潜入させていたとみられる。
刑務所から逃走した男性はCNNの取材に対し、「あの日は1日中銃声が聞こえていて、午後4時ごろに看守がいなくなった。受刑者は扉やフェンスを破って正門へと走った」「正門の前には武装したタリバーンの集団がいて、私たちは自由になった、帰宅してもいいと言われた。そこで全員が自宅へ向かった」と話している。