シリア・パルミラ遺跡の凱旋門、ISISが爆破
(CNN) シリア中部にあるパルミラの古代都市遺跡で4日、1800年前に建設された凱旋門(がいせんもん)を過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が爆破した。
同国の文化財保護当局が、地元の目撃者らの話として伝えた。
凱旋門は大きなアーチの両側に2つのアーチを配した門で、遺跡への入り口に立っていた。その先には円柱が並んだ「列柱通り」が続く。アーチ上部には幾何学模様や植物をかたどった美しい装飾が施されていた。
ISISは今年5月にパルミラとその周辺を掌握。遺跡の保護に携わっていた専門家を殺害し、8月には文化遺産として非常に大きな価値を持つバール・シャミン、ベル両神殿を相次いで破壊した。
パルミラ遺跡は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている。ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長は、ISISによる同遺跡の破壊を「戦争犯罪」と呼んで非難してきた。
しかしISISは爆破現場の画像を公開するなど、反省の色を全く示していない。シリア文化財保護当局は「パルミラは寛容と多文化共生の豊かさを象徴している。これらはISISが嫌うテーマだ」と指摘する。
ISISはシリア国内の別の場所やイラクでも、支配地の遺跡などを破壊している。