9歳少女が78歳男性と結婚、禁じられても残る「伝統」 ケニア
当時この施設には、同じような境遇から助け出された少女がほかに8人いた。同施設を運営するジョセフィン・クレアさんは、ケニア全土で家族に拒まれた200人あまりの少女たちから「ママ・クレア」と呼ばれ、母代わりになっている。
自身もユーニスさんと同じサンブル族の出身。他地域の全寮制学校に通って看護学を学ぶうちに、サンブル族の文化や伝統に疑問を持つようになったという。
救出活動を始めたのは2011年、最初に助けたのは自分のいとこ2人だった。「1人は10歳で結婚させられそうになっていた。幼い時に結婚させられた少女には性器切除が行われる。いとこが結婚させられると聞いたので、その子を助けて学校に連れて来た」
ところが2日後に電話で、7歳の妹が代わりに結婚させられることになったと知らされる。クレアさんは妹も救出し、少女のおじは逮捕された。ケニアではこの年に、幼い子どもの結婚や性器切除を禁止する法律が制定されていた。