イラン、長距離ミサイル発射実験に成功 イスラエルを射程か
(CNN) 国営イラン通信(IRNA)によれば、イランは11日、新型の精密誘導長距離ミサイルの発射実験に成功した。
発射実験が行われたのは地対地ミサイルの「エマード」で、イラン人専門家によって設計・製造された。イランのデフガン国防軍需相は、目標到達まで精密誘導できる同国史上初の長距離ミサイルだとしている。「我々は国防プログラムを追求するのに、誰の許可も求めない」ともIRNAに述べた。
エマードはイスラエルを射程に収める初の精密誘導ミサイルとなる可能性がある。イスラエルはイランの核開発に強く反発しており、イラン核施設を先制攻撃する準備を整えている可能性もあると専門家は見ている。
デフガン国防軍需相は、エマードがイランの戦略的抑止力を大きく向上させるとしている。
米シンクタンク「戦略国際問題研究所」のアンソニー・コーデスマン氏は昨年10月の報告書で、エマードについて、イランが既に保有する長距離ミサイル「シャハブ3」の変形版だと指摘。ただシステムの正確性が改善しており、ミサイル防衛が難しくなるという。
イランのミサイル計画をめぐっては、兵器増強を阻止する取り組みが米政府主導で進んでいる。
イランが去年2月、弾頭を複数搭載できる長距離弾道ミサイルなどの発射実験を成功させた際は、米国防総省の当時のカービー報道官が「中東地域にとって脅威」と指摘。国連安保理決議1929号により、核兵器を運べる長距離ミサイル関連の行動をイランはすべて禁じられているとも述べた。
イランは今年7月、欧米など6カ国との協議で、イラン国内の遠心分離機の数を3分の2削減することで合意していた。